今週12日に、イーロン・マスク率いるスペースXがいよいよ上場する予定と話題になっています。
時価総額は約1兆7700億ドル(約283兆円)。
史上最大規模の上場とも言われ、アメリカではお祭り騒ぎです。
宇宙好きの店長としても、莫大な資金を手にしたスペースXが今後どこまで成長していくのか非常に楽しみにしています。
スペースXといえばロケット!
自社のロケットを使ってお客様の衛星を宇宙へ打ち上げる会社、というイメージを持っている方も多いと思います。
ですが実は、すでに自社でも大量の衛星を打ち上げています。
その数なんと約9,500基。
世界中に存在する衛星の約70%を、たった1社で占めていると言われています。
「いつの間にそんなに打ち上げたん!?」
と思いますよね。
では、その衛星は何のために打ち上げているのでしょうか?
答えは、高速インターネット通信です。
スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」は、すでに155か国以上をカバーし、ほぼ全世界で利用可能になっています。
昔の携帯電話は、
「アンテナが建ったから、この地域の電波が良くなった」
という時代でした。
しかし今は違います。
そのアンテナ自体が地球の周りを高速で9,500基も飛び回っているようなものです。
空さえ見えれば通信できる。
そんな時代になりました。
世界中で利用が拡大しており、企業や軍事用途を含め契約数は1,000万件超え。
すでに宇宙規模の高利益サブスク企業へと成長しています。
さらに将来的には約12,000基、最終的には最大42,000基まで増やす計画もあります。
もう「電波が入らない場所」なんてなくなるかもしれません。
僕たちの生活をハイテクノロジーで支える巨大インフラになりつつあります。
もはやロケットは衛星を打ち上げるための手段。
主役は衛星通信です。
今のスペースXは「世界最大級のインターネット企業兼、宇宙インフラ企業」と言ってもいいでしょう。
ロケットといえばNASAを思い浮かべる方も多いと思います。
アルテミス計画でも話題ですね。
同じ宇宙開発なので競合のように見えますが、実は立ち位置がまったく違います。
NASAは絶対に失敗できません。
国家予算を投入し、慎重に1つのミッションを成功させます。
一方、スペースXが急成長した理由は、むしろ「失敗」にあります。
ニュースで見たことがある人もいるかもしれません。
ロケット打ち上げ失敗で大爆発!
なのに関係者は歓声と拍手(笑)
NASAでは許されないような失敗を、スペースXはあえて繰り返しています。
限界ギリギリまで攻めて大爆発。
そのデータを分析して改善。
またギリギリを攻めて挑戦。
そして大爆発。
限界のデータを取り続けながら高速でアップデートしていく。
この実験サイクルの速さこそが、スペースX最大の強みです。
今年5月のテストでも、
・わざと耐熱タイルを1枚外す
・回収ロケットを意図的に不安定な姿勢へ傾ける
など、かなり攻めた試験を行っていました。
まさに「失敗は成功のもと」を体現している会社です。
さらに、一番コストがかかるロケットの発射部分を自力で帰還させて回収し、再利用する技術も確立しました。
これによって輸送コストは劇的に下がっています。
そんなスペースX最大のロケットが「スターシップ」です。

1段目の大型ブースター「Super Heavy(スーパーヘビー)」と、2段目の宇宙船「Starship」で構成される全長124mの超巨大ロケット。
40階建てビルとほぼ同じ高さです。
・定員100人
・積載量100トン
・人類史上最大の飛行体
・完全再利用型
月や火星への輸送を実現するための、スペースX最強のロケットです。
現在はまだテスト段階ですが、これが完成する頃には宇宙旅行や火星移住計画も一気に現実味を帯びてきます。


さらにイーロン・マスクは、輸送コストを1kgあたり100ドル以下にすると公言しています。
国際宅配便並みの価格です。
もし実現すれば、宇宙輸送市場でスペースXが圧倒的な存在になる可能性があります。
そして今、さらに驚くべき構想があります。
それが宇宙データセンターです。
データセンターは膨大な電力と冷却設備が必要です。
GoogleやMicrosoftですら電力確保に苦労しています。
しかし宇宙なら話は別です。
気温はマイナス150度前後。
天然の冷却環境があります。
さらに太陽光を遮るものがない軌道に設置すれば、24時間365日発電し続けることも理論上は可能です。
その電力でデータセンターを動かす。
まさにスケールが宇宙レベルの発想です。
そして、それを実現できる大量輸送手段を持っているのがスペースX。
ここが他社には真似できない強みです。
将来的には兄弟会社であるテスラとの統合が起こる可能性もあります。
もしそうなれば企業価値は合算で3兆ドル(約544兆円)。
ひとつの巨大帝国が誕生することになります。
・宇宙インフラ
・衛星インターネット
・宇宙物流
・AIデータセンター
・自動運転タクシー
・ロボット
僕たちの未来は、イーロン・マスクの挑戦とともに進んでいくのかもしれません。
歴史的企業の上場。
今週は宇宙業界にとって大きな節目になりそうです。

