夜寝ていると、
夜中に何度も目が覚めて、トイレへ向かう。
ひどい人では2時間おき、なんてことも。
「歳のせいかな」
と片付けてしまいがちなこの症状、実は前立腺という小さな臓器の変化が関係しているかもしれません。
<前立腺が大きくなることで>
・尿道が狭くなる
・尿が出しにくくなる/残尿が増える
・ 膀胱に負担がかかる
・少し尿がたまっただけでも尿意を感じやすくなる
・排尿回数が増える
前立腺肥大症とは何か?
前立腺と言えば、この業界では当たり前のように耳にする男性にしかない臓器。
膀胱の出口をぐるりと取り囲むように存在し、精子に栄養を与える前立腺液をつくる役割を持っています。
通常はクルミほどの大きさ。
それが加齢とともに膨らみ、卵やみかんほどの大きさになることがあります。
これが「前立腺肥大症」です。
「前立腺肥大らしい」症状は頻尿に加えて、
・尿意を我慢しにくい
・尿の勢いが弱くなった
・尿が出始めるまで時間がかかる
・途中で尿が途切れる
・排尿後も残っている感じがする
・夜中に1~2回以上トイレに起きる
などがあります。
なぜ肥大するのか——そのメカニズム
実は、肥大が起こる根本的な原因は、実は現代の医学でもまだはっきりと解明されていません。
ただし、有力な手がかりはあります。
50歳を過ぎたころから男性ホルモンのバランスが変化し始めること。
これが引き金のひとつと考えられています。
肥大した前立腺が尿の通り道を妨げる仕組みは、実は二つあるといわれています。
- 大きくなった前立腺が物理的に尿道を圧迫する
- 前立腺周辺の筋肉が緊張し、尿道を締めつける
体の内側で、静かに二重のブレーキがかかっているようなイメージです。
肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症といった生活習慣病との関連も指摘されています。
食生活の欧米化が進んで以降、患者数が急増したことも、その裏付けのひとつとされています。
どれくらいの人に起こるのか
ある調査では、
50代で3割、60代で6割、70代で8割、80代では実に9割の男性に前立腺の肥大がみられるといいます。
誰にでも起こりうる、いわば「加齢のサイン」。
そう捉えることもできそうです。
放置するとどんなリスクがあるのか
頻尿を気にして水分を控える人がいますが、これはかえって逆効果。
水分不足は腎機能の低下や尿路感染、尿路結石のリスクを高めてしまいます。
また、尿意を我慢しすぎることも要注意!
膀胱にためすぎると筋肉が伸びきってしまい、うまく排尿できなくなることがあります。
前立腺肥大症そのものが前立腺がんに進行することはないとされています。
とはいえ、症状の陰にがんが隠れているケースもゼロではありません。
気になる症状があれば、自己判断せず早めに専門医に相談するのが安心ですね。
予防・対策
日々の小さな習慣が、進行の予防につながるといわれています。
- 動物性脂肪やたんぱく質を控えめに、野菜や大豆中心の食生活へ
- 規則正しい生活と適度な運動を心がける
- 尿意を我慢しすぎない
- 下半身を冷やさない、ぬるめのお湯でゆっくり入浴する
- 水分は控えすぎず、適度に摂取する
前立腺の肥大は、多くの男性がいつか通る道なのかもしれません。
大切なのは、それを「仕方のないこと」で終わらせず、体からのサインとして受け止めること。
50代を過ぎたら、一度検診を受けてみるのも良いかもしれません。

